アルカリ性食品と腎臓病について。野菜や果物を避けてはいけない理由とは

vegetable 健康雑学

こんにちはmonakaです。

薬剤師です。

腎臓の機能が落ちてくると、カリウムを減らす必要があります。

野菜、果物にはカリウムが多いので、食事の際、気をつけるように指導を受けるかと思います。

透析レベルになると生でむしゃむしゃ食べることはかなり危険です。

しかし、野菜や果物を極端に避けることはむしろ良くないという発表がありましたのでまとめたいと思います。


腎不全でカリウムをとりすぎてはダメなわけ

ずばり、心臓が止まってしまう恐れがあるからですね。

カリウムが多いと、心臓の筋肉が正しいリズムで脈を打つことが出来なくなります。

脈が乱れ、不整脈となるだけでも痛みや不快感、息切れなどの症状が出ることがあります。

カリウムの濃度が高いほどに心臓は正しく動けなくなり、最悪止まってしまうということですね。

参考:電解質と不整脈の関係
https://www.rishou.org/activity-new/qa/qa-vol-206#/

腎臓が健康であれば、とりすぎたカリウムは尿と一緒に排出されるので、体内のカリウムの量は良い感じに保つことが出来ます。

腎機能が低下してしまうと、それが上手に出来なくなってしまうのです。

だから、食事でカリウムをとりすぎないよう気をつける必要があるわけです。




野菜や果物を避けすぎるのもよろしくない

ならばカリウムを徹底的に避けよう!

野菜や果物は食べないようにしよう!

真面目な方ほどそう考えてしまいそうです。

残念ながら、それはむしろ寿命を縮めてしまうことがわかりました。

野菜や果物の摂取が少ない慢性腎臓病患者(血液透析患者)は10年後の死亡リスクが高い
https://www.med.niigata-u.ac.jp/contents/info/news_topics/286_index.html

野菜や果物の摂取が少ないと、10年後の生存率が半分近くになってしまうのですね。

アルカリ性食品の有用性について

私たちの血液はわずかにアルカリ性です。(pH7.35~7.45)

肉などの酸性食品ばかり食べると、血液も酸性に傾いてきます。

すると、心臓病、糖尿病、がんなどのリスクがあがってしまうのです…!!

参考:食事の酸塩基バランスと死亡との関連について
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/7901.html

それは大変よろしくない。

血液を中和して酸性にならないよう、アルカリ性に保たねばなりません。

ということで、

野菜、果物などのアルカリ性食品が必要であると分かりますね。

(アルカリ性食品について調べた記事はこちら。
どうして!梅干しが!アルカリ性食品なんですかあああああああ!?

野菜や果物には、身体にとって有用な栄養素が豊富に含まれています。

カリウムにばかり気をとられてはいけないということですねえ。



野菜や果物のカリウムを減らす方法

朗報です。すでにご存じの方も多いかもしれません。

カリウムは水に溶けやすい性質があります。

野菜や果物を小さく切って水にさらす、茹でる、煮ることでカリウムを減らすことが出来ますよ。

※ゆで汁、煮汁はたくさん飲まないでくださいね。

溶け出したカリウムごと飲むことになりますから。

また、缶詰の果物も良いと効いたことがあります。

調理の手間がかからなくて良いですね。

これも、シロップは食べないようご注意ください。

まとめ

普段から健康に良いと言われる野菜、果物。

腎機能が低下したら避けるべきかというと、そうではないよという記事でした。

もちろんカリウムの値は常に注意する必要があります。

人によって腎臓の状態もカリウムの値もバラバラです。

あなたの健康寿命がより長く保てるよう、主治医とよく話しあってくださいね。