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菊芋が血圧を下げる2つのメカニズムをわかりやすく解説

健康の学び
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高血圧は「静かなる暴走者」とも言っても過言ではありません。

知らず知らず血管を傷つけ、心臓や腎臓、脳などにリスクをもたらします。生死にかかわるリスクを、もたらします。

薬だけに頼るのではなく、毎日の食事で血圧を支える手助けをすることも大切です。

その中で注目されているのが「菊芋(キクイモ)」。

「菊芋が血圧を下げる」と聞くと驚かれるかもしれませんが、裏にはきちんとした栄養学的な理由があります。

ここでは、菊芋が血圧を下げるとされる 2つのメカニズム を、わかりやすく丁寧に解説します。

菊芋は血圧にどう働く?

菊芋にはいくつもの有益な栄養成分があります。

その中で、血圧を下げる手助けになる主な働きとして挙げられるのが以下の 2つのメカニズム です。

・カリウムによるナトリウム排出促進作用

・イヌリン(食物繊維)による血管・代謝サポート作用

以下、それぞれを詳しく見ていきましょう。

メカニズム①:カリウムによるナトリウム排出促進作用

菊芋にはカリウムが豊富

まず、菊芋はカリウムを多く含む食品です。

日本の食品成分表によれば、生の菊芋100gあたり、約 610mg のカリウム が含まれています。

この数字は、野菜や芋類の中でも高い方に入ります。

なぜカリウムが重要か

カリウムは体内で、ナトリウム(塩分:食塩に含まれるナトリウムイオン)とのバランスをとる働きをします。

ナトリウムが多すぎると体内の水分が増えます。

すると、血管にかかる負荷が強くなって血圧が上がりやすくなります。

一方、カリウムは、余分なナトリウムを尿や汗として排出するのを助ける作用があります。

ナトリウムを排出し、体内の電解質バランスを整える ことが、カリウムの重要な役割です。

この作用によって、血管内の過剰な塩分ストレスが軽くなります。結果として、血圧を上昇させにくくしてくれます。

菊芋による実践的効果

菊芋を食べることで、カリウムを補給でき、体内の塩分過多を抑える助けになります。

このメカニズムは、特に塩分摂取量が多い食生活をしている人にとって、有効なサポートになり得ます。

ただし、腎機能が弱っている人やカリウム制限がある人は、カリウムの摂りすぎに注意が必要です(医師と相談を)。

メカニズム②:イヌリン(食物繊維)による血管・代謝サポート作用

菊芋が持つもう一つの強みは、 イヌリン と呼ばれる水溶性食物繊維の豊富さです。

この成分が、間接的に血圧を安定させる可能性があります。

菊芋とイヌリンの関係

乾燥した菊芋の成分のうち、約 60% がイヌリンで占められている、という報告があります。

また、他の野菜と比べても、イヌリン含有量は非常に高いとされます。

イヌリンは「プレバイオティクス」として、腸内細菌(特に善玉菌)のエサになり、腸内環境を整える効果が期待されています。

イヌリンが血管や代謝に効くしくみ

イヌリンが直接「血圧を下げる」作用を持つかどうかについて、明確なエビデンスは限定的です。

ただし、以下の方向でサポート的に働く可能性があります。

血糖値・脂質のコントロール 

イヌリンは糖質の吸収をゆるやかにする作用があり、食後の血糖値の急上昇を抑える働きが報告されています。

また、脂質(コレステロール等)に対する影響も指摘されており、代謝改善につながる可能性があります。

短鎖脂肪酸と血管保護 

腸内でイヌリンが発酵する過程で、短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸など)が生成されます。

これらは腸管から吸収され、全身に影響を与える可能性があるとされます。

炎症を抑えたり、血管の健康を支えたりする役割も期待されます。

腸‐血管連関 

腸内環境の乱れ(悪玉菌優勢、炎症、腸透過性の亢進など)は、慢性的な炎症や酸化ストレスを通じて血管を傷つけやすくします。

そのため、腸内環境を整えることは、血管を守る一助になる可能性があります。

血管を守る=血圧の安定です。

血管が健康で柔らかいと、血液はスムーズに流れ、血圧も安定しやすくなります。

逆に、血管が硬い・狭い・収縮しすぎていると、血圧は上がりやすくなるのです。

  • 血糖値や中性脂肪の急上昇を抑える
  • 短鎖脂肪酸が炎症を抑える
  • 腸内環境を整える

イヌリンによるこれらの働きは血管の老化を防ぎ、最終的には血圧の安定に結びつく助けとなることが期待されます。

菊芋は「薬」ではなく「補助的食品」

ここで強調しておきたいのは、菊芋は薬ではないという点です。

血圧を劇的に下げたり、即効性をもたらしたりするわけではありません。

毎日の食事の中で、穏やかに健康を助ける存在として位置づけるのが適切です。

高血圧対策としては、以下のような生活習慣の見直しと組み合わせることが必須です。

  • 塩分摂取の適正化
  • 適度な運動
  • 体重管理
  • ストレスコントロール
  • 禁煙、節酒
  • 充分な睡眠

菊芋を取り入れる際は、「野菜」として、「食品」として、無理なく継続できる範囲で取り入れるのが理想です。

関連記事 食塩は1日何グラム?→6gまで!塩分量に気をつけるべき理由とは?

菊芋を取り入れるおすすめの食べ方

菊芋を毎日の食事に取り入れる工夫をいくつかご紹介します。

無理なく続けられるよう、簡単な方法をピックアップしました。

生でサラダや和え物に

シャキシャキとした歯ごたえが楽しめます。

よく噛むことは満腹感を得やすく食べ過ぎ防止になります。脳への刺激にも◎

きんぴら風炒めに

ごま油で炒め、醤油・みりんなどで味付けします。

サッと炒めてシャキシャキ感を残せば、食感のアクセントがよくおすすめです。

スープ・炊き込みご飯に

他の野菜や豆類と合わせて作ることで、複数の栄養をまとめてとることができます。

弱火で調理すると煮崩れしづらいですよ。

粉末または乾燥タイプを活用

洗う、切るの作業が必要ありません。

サッと使えて便利です。

スムージーや味噌汁などに混ぜてどうぞ。

イヌリンを手軽に得ることができます。

漬物(酢漬け・浅漬け)

まとめて作っておけば、あとは食卓に出すだけなので楽ちん。火を使わないのも良いですね。

ポイントは「毎日少しずつ」を心がけること。

急に大量に取りすぎると、腸内でガスが発生しやすく、お腹が苦しくなることがあります。

最初は少量(例:1日20〜30g程度)から始めて、体調を見ながら増やすとよいでしょう。

また、カリウム過剰が懸念される持病(腎臓疾患など)がある方は、医師と相談のうえで取り入れるべきです。

注意点が5つあります。

健康に良い菊芋ですが、注意点があります。

以下を押さえておきましょう。

1,即効性を期待しないこと

菊芋はあくまで「サポート役」。数日で血圧が劇的に下がるものではありません。

2,体調によってはおなかの不調を招くことも

食物繊維が腸内で発酵するとガスが生じやすく、腹部の張りやお通じの変化を感じることがあります。

3,カリウム制限がある人は慎重に

腎臓病や心不全でカリウム制限をしている方は、菊芋の摂取量に注意が必要です。

医師とよく相談してください。

4,薬との相互作用

高血圧薬を服用中の方は、菊芋の補助的作用が薬の効果と重なったり、薬の調整に影響が出たりする可能性もあります。

念の為、医師への相談が安心です。

5,バランスのよい食事が前提

菊芋だけに頼るのではなく、野菜・魚・全粒穀物など、多様な食品を組み合わせることが基本です。

まとめ|菊芋を血圧対策の一助に

本記事では、菊芋が血圧に働きかけるとされる 2つのメカニズム を紹介しました。

カリウムによるナトリウム排出促進作用

イヌリン(食物繊維)による血管・代謝サポート作用

どちらも「直接的に血圧を劇的に下げる」ものではありませんが、 血管の健康をサポートする力 を持っています。

食事療法として、補助的に血圧を改善する効果が期待できます。

高血圧リスクを減らし、血管を守るという意味で、菊芋は優秀なパートナーになり得ます。

ただし、薬の代わりではなく、あくまで【日々の暮らしの中でのサポート食材】です。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

皆さんが、長く元気に過ごしていただくことを心から願います。

菊芋をうまく取り入れて、血圧を穏やかに支える毎日を始めてみてくださいね。

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