こんにちは薬学部を卒業したmonakaです。
とても身近な調味料「塩」SOLT。
この記事では、塩がなぜ必要なのか、塩を1日にどれくらいとるべきなのかについてまとめます。
食塩は生きるために必要です。
食塩は身体の中でナトリウム(Na)と塩素(Cl)に分かれます。
ナトリウムイオン、塩素イオンという、水に溶けた姿になります。
大事なのはナトリウムです。ナトリウムは筋肉を動かしたり、脳や神経の情報伝達を助けたりします。
ナトリウムがないとどうなるでしょう?
→ 私たちの身体が動かなくなります。
それはとても困りますよね。
なので、ナトリウムは重要であり、ナトリウムを含む食塩は必要なのです。
1日に必要な食塩の量は1.5g!
最低限生きるために必要な食塩の量は研究で分かっています。
1日1.5gです。
身体から出ていくナトリウム量を調べたのです。何もしなくても汗や尿、便として出て行ってしまうので、その分を補わないと足りなくなってしまいますよね。
身体から出て行くナトリウムの量と同じ量のナトリウムをとればいいわけです。
1日に出て行くナトリウム量は600mgだそうです。
その、ナトリウム600mgに相当する食塩の量は1.5gとなるのです。
日本人は食塩をとりすぎです。
「食塩、大事なんだね!わかった!塩、醤油、味噌、しょっぱいものをいっぱい食べよう!」
…と思いましたか?
大丈夫です。あなたが日本に住んでいるなら、心配すべきは食塩の不足ではなく【過剰】です。
2022年に国が調べた食塩摂取量は男性10.5g、女性9.0gでした。平均は9.7gです。
多いですよね?
必要な量は1.5gなのに、皆、何倍とっちゃってんのよ?そう思いませんか?
食塩をとりすぎるとどうなるの?
必要な量をとれているなら、それでいいのでは?多い分にはいいじゃない?
そう思った方もいるかもしれません。
…残念ながら、とりすぎは良くないのです。
食塩をとりすぎると、血圧が上がったり、むくみが生じたりします。腎臓にもよくないことが分かっています。
で?それが何か問題ですか?別に平気でしょ?
となるでしょうから、血圧について簡単に説明しますね。
血圧が上がると、心臓に負担がかかります。心臓が疲れたらどうなるでしょう?だんだんと動きが悪くなりますよ。全身にうまく血液を送ることができなくなります。するとどうなるでしょうか。全身全てが酸素不足&栄養不足になるのです。なかなか想像することは難しいかもしれませんが、相当やばいことです。つねに倦怠感があって、ものすごくしんどいですよ。
また、血圧が上がっても私たちは痛みを感じませんが、血管にはしっかりと負担がかかっています。そんな状態が続くとどうなるでしょう?いつかパーンします。血管がパーン。…おそろしいでしょう?
大学時代の講義で聞いた話です。塩漬けの保存食を多く食べていた長野県は脳卒中で亡くなる方がとても多かったそうです。しかし、減塩に取り組むようになってからは脳卒中になる方が激減し、健康長寿県となったそうな。
私はコレを聞いて、「わあー、塩のとりすぎはよくないんだなあ」と思いましたね。
まとめ:食塩は1日6gまでを心がけましょう
日本人の食事摂取基準では、2025~2030年の食塩の目標量として男性7.5g、女性6.5gとされていますが、ちょっと覚えきれないですよね。
高血圧予防、腎臓病予防のための目標量としては6gとされているので、私はこの量を推奨します。
世界基準は5gなので、そちらを目標にしても良いでしょう。5って覚えやすいですし。そのうち日本も世界に準じて5gになるかもしれませんし。
アメリカでは1日3.8g未満を目標に定めているガイドラインもあるのだとか。(厳しい!!)
熱中症の時、下痢の時、高熱の時は例外
大量に汗をかいたり、お腹を下したりすると、普段よりもたくさんのナトリウムが身体の外に出て行ってしまいます。なので、暑い夏場や激しい運動をしたとき、サウナや岩盤浴で大量に発汗したときや下痢が続くときは一時的に減塩のことは考えず、イオン飲料などでナトリウムと水分をたっぷりと補給してください。