トラネキサム酸とは?お薬の成分をざっくり説明します。

薬のボトルイラスト 健康雑学

こんにちは。薬剤師のmonakaです。

今回はトラネキサム酸という成分について書いてみます。女性は知ってる方も多いかもしれませんね。なにせ、しみ用化粧品にも配合されている成分ですから。かなり認知度があるのではないかと思います。男性もトラネキサム酸について知っておいて損はないですよ。風邪薬としてもかなり有能なんです。

トラネキサム酸はのどの痛みや口内炎を抑えてくれる

のどの痛みを咽頭痛(いんとうつう)と呼びます。つらいですよね。痛くて声が出しにくかったり、食べたり飲んだりすることもしんどくなります。体調が悪いときに食事ができないと、栄養が補充されずひたすらに消耗してしまいます。早く良くなるためにも食事はしっかりとりたいものです。トラネキサム酸はのどの腫れや赤み(炎症といいます)を楽にしてくれるのです。病院にいかなくても、ドラッグストアでトラネキサム酸入りの市販薬を購入することが出来ます。「ペラックT錠」がおすすめです。

トラネキサム酸は口内炎が良くできる人にもおすすめできる成分です。ただ、口内炎の患者さんにトラネキサム酸が処方されることはほとんど無いように思います。塗り薬で十分な印象です。

口、のどのトラブルにトラネキサム酸です。妊婦さんも授乳中の方も大丈夫ですよ。

トラネキサム酸は皮膚の赤み、かゆみを楽にしてくれる

トラネキサム酸はじんましんなどによる赤み、かゆみ、腫れにも使えます。ですが、あまり処方される例は少ないと感じています。皮膚トラブルのスタメンは基本的に抗アレルギー薬ですねえ。ということは慢性じんましんなんだけど抗アレルギー薬ではいまいち、、、な人に対して提案してみるのはありかもしれませんな。あ、すみません独り言です。

トラネキサム酸は美白にも利用される

保険適応はされませんが、美肌のための治療でもトラネキサム酸がよく使われています。しみの原因はメラニンです。細胞がメラニンを作りすぎないよう、トラネキサム酸が抑えてくれるようです。ビタミンCとセットで使われることがほとんどですね。市販薬の「トランシーノ(肝斑の薬です)」にもトラネキサム酸は含まれています。また、冒頭で述べたように化粧水などの基礎化粧品に入っていることがあります。

トラネキサム酸と血管の話

トラネキサム酸には止血の作用もあります。腕や足を机などに強く打つとあざができますね。これを内出血と言います。皮膚の内側で、細い血管が破れて出血しているのです。健康な人はすぐに血管の破れた部分がふさがれ、血が止まります。トラネキサム酸はこの、血管をふさいで血を止める補助をしてくれます。

なので、飲み過ぎるとどうなるか・・・わかります?

身体の中で血の塊ができて、血管が詰まるおそれがあるのです。と言っても、健康な人が用法用量を守って飲む分にはまず問題にはならないので安心して下さい。血栓のある人、寝たきりの人、腎臓のすごーく悪い人は要注意です。かかりつけのお医者さんがいるはずなので、お薬を飲む前に相談して下さい。

まとめ

トラネキサム酸にはいろいろな働きがあることがおわかりいただけたでしょうか。

喉の痛み、赤み、かゆみ、出血を抑える、美白などなど。

個人的にはのどの痛みにはこれ!と言いたかっただけなのでそれだけ覚えておいてもらえれば嬉しいです。市販薬も処方薬も用法用量を守って使ってくださいね。